首の痛みで顔を上に向けることができなくなる方が増えています。
痛みが強いので、不安になりますよね。
例えば、朝歯磨きで“うがい”ができないとか、空を見上げるのがつらいとか、とにかく上を向くことができなくなります。
そうなると、顔を少しだけ前に出すと少し楽になる気がします。
でも、これがくせ者なんですよ。
あまりに痛くて少し顔を前に出すと楽な気がするので、自然とそういう姿勢を取るようになります。
私はこれを「退避姿勢」と呼んでいます。
楽な気がするからそうなるのですが、「退避姿勢」を取り続けている方々はなかなか痛みが消えてくれません。
中には何年も続いている方もいます。
なぜそうなってしまうのか?
深く追究して行くと、首の椎間板を傷めているケースが非常に多いんです。
首の椎間板を傷める原因
絶対にそうだと断言はできませんが、「首が痛くて上を向けない」と言って来院される方は椎間板の問題の方が圧倒的に多い印象があります。
当院ではその原因を推理して行く訳ですが、この症例の方の多くに共通する環境として、「パソコンの使用頻度が高い」ことがあげられます。
仕事の効率や内容、場合によってはビジネスそのものを大きく変えたIT革命ですが、その結果別のリスクも手に入れてしまったともいえるのです。
便利になった反面、首の椎間板を傷めるリスクも増えたんですね。
パソコン操作における2つの顕著な特徴
パソコン操作に見られる顕著な特徴が2つあります。
- 猫背になり、顔が前に突き出た姿勢になる
- その姿勢のまま数時間以上を過ごしている
このパソコン操作時特有の2つの特徴が主原因となり、首の椎間板が傷むと考えられます。
あなたの周りでパソコン操作中の人を観察してみて下さい。
2つの特徴に合致していませんか?
この2つの特徴の問題を理解するためには、椎間板の機能を知る必要があります。
椎間板は首から腰まで24個ある背骨の一つ一つの間にある柔らかい組織です。
医師の中には“軟骨”と表現する医師もいます。
この軟骨のような組織が傷むのです。
椎間板の2つの大きな機能と傷む理由
椎間板の機能は大きく2つあります。
- 背骨と背骨のジョイント
- 重力を吸収するクッション
です。
私たち脊椎動物の背骨が動けるのは、この椎間板が柔軟にジョイントしているためです。
もし椎間板が硬い物質だったり、無かったりしたら背骨は一本の硬い棒のようになるので、曲がることはできません。
椎間板が柔軟にジョイントしていることは、言いかえれば曲げた方がつぶれるという事です。このつぶれてくれるから曲がるという事実が、椎間板を傷めることを理解するためには必要不可欠なんです。
つぶれるということは、つぶれた側に強い圧力がかかっています。
押しつぶされている訳ですから。
その強い圧がかかり続けることによって、椎間板内部に変性が起きると考えられます。
具体的には後方に向かって亀裂が入っていると考えられるのですが、その亀裂に椎間板内容物の髄核は移動した状態になります。
少しヘルニアに近づいた状態です。
このメカニズムの詳細については、「椎間板の問題からの痛み」ページをご参照頂ければと思います。
退避姿勢が痛みの回復を遅らせる理由
このページの前の方で触れた、退避姿勢を取ると痛みが長引くということは、退避姿勢が軽い前屈みとなることにその理由があります。
前章で説明しましたが椎間板が傷む理由こそが、まさにその姿勢だからです。
前屈みとは、椎間板の前方がつぶれた姿勢だからです。
長引くだけでなく、時には相当な悪化にもつながります。
ですから、首が痛くて上を向けない方は、できるだけ顔が前に出た姿勢を減らすことが、早い解決につながるのです。
パソコン操作時の注意
実はパソコン作業は、困ったことに猫背で悪い姿勢の方がやりやすいのです。
ですから無意識だと必ず姿勢が崩れます。
対策としては
- 背筋を伸ばして
- 顔を起こし気味にして(前屈みでなく、伸ばした背筋の上に頭を置くイメージ)
- モニターからはやや離れて
- 出来るだけその姿勢を維持して
このように操作する癖を付けたら、首の椎間板を傷めにくくなります。
最初は少しやりにくいですが、慣れてしまえばどうということも有りません。
首を傷めるリスクを減らせるメリットの方が大きいと思います。
首の椎間板を傷める原因は、パソコンだけではなく、姿勢全般と言えます。
ですから姿勢の改善にも是非取り組んでみて下さい。
そしてうまく結果が出なければ、当院にご相談下さい。
数多くの改善実績がありますので、きっとお役に立てると思います。
お電話ありがとうございます、
壮快カイロプラクティックでございます。